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ハリと潤いのカギを握る真皮と表皮

肌のことを知るために、皮膚という組織を詳しくみてみましょう。皮膚は人体最大の臓器です。その表面積は成人で約1.6㎡、重さは体重の約8%を占めます。そして、全血液の3分の1が絶えず循環しています。皮膚は表面から順に、表皮・真皮・皮下組織という三層からなります。表皮の厚さは平均0.2㎜、その95% が角化細胞です。角化細胞は表皮の最下層で分裂し、形を変えながら成熟して上へ上へと押し上げられていきます。成熟段階の形の違いから4 つの層に分類され、もっとも外側の「角質層」は異物の侵入や紫外線などの外的環境から内部を守る重要な働きをしています。皮膚のバリア機能です。角質層まで辿り着いた角質細胞は2 ~ 3 週間ほど留まったのち、垢となって自然に剥がれ落ちます。角質層は角化細胞をとりまくセラミド(角質細胞間脂質)や天然保湿因子(NMF)、表面を覆う皮脂などによって潤いを保ち、バリア機能を維持しています。一方、表皮の内側の真皮は、コラーゲン繊維、エラスチン繊維、基質で形成され、それらを産生する細胞(繊維芽細胞)や免疫細胞、血管、神経などで構成されます。繊維状のタンパク質であるコラーゲン、弾力性に富むエラスチンが肌のハリと弾力を作ります。さらに、これらのすき間を満たすヒアルロン酸などの基質が水分を保持し、肌の保湿を担っています。肌の土台である真皮とその表面を守る表皮の状態が、「ハリと潤いのカギ」となるのです。