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これから生えてくる髪は変えられる! 薄毛や白髪は遺伝だと諦めないで!

田村 マナ

田村マナ美髪研究所 代表 美髪アドバイザー 

社団法人日本毛髪科学協会認定 毛髪診断士 日本スカルプメイクアップアカデミー認定 ビューティーセラピスト日本臨床毛髪学会 会員 主な著書 「大人の「品」は艶髪で作られる」(ワニブックス) 「38 歳からはじめたいリカバリー美容辞典」(朝日新聞出版)  「頭皮ケアで始める美髪バイブル」(講談社) 国際線客室乗務員時代に肌や髪のトラブルに悩まされたことをきっかけに基礎化粧品ブランドを立ち上げ、現在は美髪アドバイザーとして講演やTV 出演、雑誌、WEB メディア等多方面で活動中。

私は毛髪診断士として、これまでに1 万5000人以上の髪の悩みをお持ちの方々とお会いしてきました。

しかし、私自身も髪の悩みがまったくなかったというわけではありません。子供のころから髪が細く、20代では客室乗務員というハードな仕事がら不規則な生活が続き、髪の艶やコシが衰えて、あげくは突然髪が抜け始めるという体験もしています。 それを契機に始めたのが毛髪や健康についての勉強でした。それはもう必死。美容の世界へ飛び込むと同時に生活習慣をすべて見直したのです。おかげで現在40代半ばを迎えていますが白髪1本なく、これまでのケアの成果と自負しています。 カウンセリングで相談者様からお話を伺うと、抜け毛や白髪は「年齢や遺伝だから仕方がない」と最初から諦めておられる方がほとんどです。しかし、肌や髪は遺伝子の影響が4分の1、食事や運動などの環境因子が4分の3 だと言われます。環境や生活習慣の影響の方がずっと大きいのです。 「分け目白髪」は紫外線のダメージ、一方「生え際白髪」は精神的ストレスが大きく関係しています。そして、どちらにも共通するのが細胞が傷ついているということ。紫外線や精神的ストレスから活性酸素が過剰発生して色素細胞にダメージを与えることで、色素細胞の活動が衰えて髪に色を付けなくなるのです。 一般的に白髪は水分量が低下するのにくわえて頭皮の弾力も失われているため、ゴワつきがちです。また頭皮の皮脂が酸化した場合は、黄ばんだ白髪になります。ひとからげに白髪と言っても、艶やコシや透明感のある白髪もあれば、傷んだ白髪もあるのです。カラーを楽しむにしても、グレイヘアを楽しむにしても、髪の状態によって印象の差は歴然です。

私はブラッシングや頭皮マッサージの仕方、シャンプーの選び方など、相談者様にお手入れ方法もお伝えしていますが、その中で必ずお話するのは「食」の大切さです。薄毛で悩まれている方のほとんどが、食生活が乱れていたり、○○が体に良いからとそればかり食べているという偏った食事をされているのです。 「食」を見直すことで、生えてくる髪は驚くほど変化します。実際そういう方々の実例を多く目にしてきました。具体的な見直し法としては、「ミネラルを積極的に摂ること」と「腸内細菌バランスを良くすること」です。

髪の材料であるタンパク質をいくら摂っても、ミネラルが不足していると、それを髪の主成分であるケラチンに作り変えることができません。マグネシウム・カルシウム・リン・鉄・銅・亜鉛などの13種類のミネラルは、厚生労働省によって「抜け毛予防・薄毛改善に効果的」とされています。昔から「わかめで髪が増える!」と言われてきたのは、わかめに含まれる豊富なミネラルが髪に良いという事実があったからなのです。 角質や爪と同じように髪もすでに死んだ細胞です。生えてしまった髪はいくらケアしても残念ながら髪質が劇的に改善することはありません。一方、生きている細胞の状態を良くしてあげることは今からでも可能です。

育毛外来のお医者様の話でも、髪のトラブルにはたいてい体の不調が伴っているといいます。言い換えると、体の不調が髪に現れているということです。薄毛の治療においても、頭皮ケアと同時に生活指導や栄養療法を行わないと良い結果が出ないとお聞きしました。 髪はエイジングがダイレクトに目で見える形で現れるパーツです。大人の品、かわいげ、美しさは髪によって醸し出される。大人がもっとも手をかけるべきは「顔よりむしろ髪」と常日頃お伝えしている所以です。