抜毛・薄毛はヘアサイクルの乱れから
「髪が細くなってボリュームが出ない」 「ハリやコシがなくなってヘアスタイルが決まらない」 「髪の量が減って地肌が透けて見え始めた」これらは、ヘアサイクル(毛周期)の乱れによって起こっています。 そもそも髪の毛(毛髪)は頭皮の一部が変化したもので、頭皮の表面から外に出ている「毛幹部」と頭皮の中に埋まっている「毛根部」からなっています。そして、毛根部の底には毛髪を作り出す「毛母(もうぼ) 細胞」と毛髪の成長に必要な栄養素を毛母細胞に送り込む「毛乳頭」とがあります。 このうち毛母細胞は毛乳頭を囲むように位置して、毛乳頭から得られる栄養によって細胞分裂をくり返しながら増殖します。次第に角質に変わりながら柱状に連なり、それが頭皮の表面の毛穴(毛包(もうほ う))から伸び出したものが毛髪です。外に出ている部分(毛幹部)は死んだ細胞ですが、毛根部の毛母細胞は生きて活動しており、一般的には1日0.3㎜ずつ根元から新しい毛髪が作られています。 毛髪は永遠に伸び続けているわけではなく、伸びては抜け、また新しく生えるということをくり返しています。1日に50~100本程度が自然に抜け落ちて、それに代わる新しい毛髪が作り出されて伸びていくのです。そうした成長の周期を「へアサイクル(毛周期)」と呼んでいます。
ヘアサイクルは右図の4つの段階を、通常3 年から6 年かけて循環していきます。 ヒトの髪は平均10万本といわれ、その1本1本が3年から6年の周期で入れ替わることで髪の量をほぼ一定に保っているのです。 ところが、成長初期の後で、十分な成長期を経ずに退行期に入ってしまうと、髪が細いまま抜け落ちてしまいます。また、周期全体が短くなって、次の毛が生えるまで時間がかかって、総本数が減ってしまいます。こうしたヘアサイクルの乱れが「髪が細くなる」「薄くなる」状況を招いているのです。 ヘアサイクルの乱れは毛根部の細胞の劣化によるもので、毛母細胞が活発に細胞分裂し続け、本来の機能を取り戻して活発に働くようになれば、ヘアサイクルを正常に戻すことができます。細くなった髪も、薄くなった髪も根元からどんどん甦らせることが可能なのです。