腸内細菌たちが意思を持つ !?
09.21.2021
腸内フローラを構成する細菌たちは、善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つに分類されます。菌種にして2000種にもなる細菌たちが、それぞれの集団でスペースを奪い合いながらひしめき合っています。
善玉菌も悪玉菌も私たちの体とはお互いに共存関係にあります。私たちの体は、食物の分解・消化を手助けしてもらう代わりに、細菌に安住の地を提供しています。そして、細菌たちも腸内の環境維持のために働きます。外部からの細菌やウィルスの侵入を防ぎ、私たちを保護してくれます。腸内環境が整っていると、セロトニンのような幸せホルモンまで分泌して、私たちに幸福感を与えてくれさえする。このような友好的な関係を作れるのが善玉菌です。しかし悪玉菌が勢力を増すと、悪玉菌が好む食べ物を私たちに欲しがらせるようなサインを出し、脳との連絡機構を使って悪玉菌が増えるような脂っこい食事を摂るように私たちに行動させるのです。
善玉や悪玉という呼び方は、ヒトを主体にした見方によるものです。私たちが都合良くグループ分けをしただけのこと。善玉菌も悪玉菌も日和見菌も、それぞれが生きるために、必死で陣地を取り合っています。自分たちの繁栄のために、時には化学物質を作り出し、腸管神経のネットワークをフル活用して縄張り争いをしているのです。この時、私たちの行動がコントロールされていることを忘れてはいけません。