髪は「余った血」でできている
05.21.2021
艶のある髪になるのかパサついた髪になるのかは、髪を作り出す細胞の状態によって決まります。漢方の起源である中国医学に「髪為血之餘(髪は血の余りなり)」という言葉があります。髪は血の余りからできていると考えられ、血液に余裕がなければ豊かで光沢のある髪は作れないとされています。血液の役割は体の細部まで栄養を届けること。まず生命に直結する心臓や肺などの臓器に必要十分な栄養が届けられ、髪や爪はその残りで作られます。生命維持という意味では、髪の優先順位は最下位なのです。必要十分な栄養を含む豊富な血液がなければ、豊かで艶のある髪は作られないのです。
昨年「腸でも血液が作られている」ことが、米コロンビア大学の研究チームによって証明されました。腸には、栄養素の分解・吸収だけでなく血液を生み出す働きもあったのです。腸で生み出される血液は細胞の元となる「幹細胞」と呼ばれる細胞で、毛髪を作る細胞に変わる潜在能力を持っています。このように新たな血液が腸で生み出されることで、栄養と細胞の材料がたっぷりと頭皮に届けられ、髪を作り出す細胞が続々と生まれて活発に働くことで、艶のある美しい髪が作られるというわけです。