潤い、質感、太さを決める3層構造
艶髪を決定づけるものが何かを知るために、毛髪の構造について見ていきましょう。1 本の毛髪は、外側から順に「キューティクル(毛小皮)」、「コルテックス(毛皮質)」、「メデュラ(毛髄質)」の3つの層からなっています。
一番外側のキューティクルは角化した無色透明の細胞で、4~8枚がウロコのように重なり合っています。外部の刺激から毛髪内部を守り、内側のタンパク質や水分が失われないように働きます。健康的なキューティクルには脂質成分が存在し、毛髪に艶と手触りのよい滑らかさを与えます。
中間にあるコルテックスはケラチンと呼ばれる硬質タンパクの集合体で、毛髪全体の約85~ 90% を占めています。毛髪の太さや強度、弾力性を決定づけ、この部分に含まれる水分量は毛髪のしなやかさに反映されます。また、メラニン色素がコルテックスに沈着することで髪色を決定します。
毛髪の芯となるメデュラは、空洞の細胞が蜂の巣状に並んだ構造で、空気を含んでいます。毛髪全体の0~3%しかありませんが、毛髪の強度に関わる重要な部分です。新生児の毛やうぶ毛にはこのメデュラがありません。成人でもメデュラが完全につながっている場合や途中でと切れている場合などさまざまで、毛髪によってはこのメデュラがまったくないこともあります。一般的にメデュラが太いほど毛髪は太くなります。
髪が痛んだらトリートメント剤で対処する人も多いと思います。しかし、トリートメント剤も一時的にキューティクルをコーティングすることはできても、深部のメデュラまでは修復できず、根本的な解決にはなりません。やはり美しい髪を手に入れるには、新しく生えてくる髪を丈夫で健康なものにするしかないのです。それには、髪を作り出す毛根部の細胞が健康に機能し、十分な栄養素が届けられることが大切です。