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女性型AGAとは

最近は「女性型AGA」という言葉をテレビCMなどでも見かけるようになりました。男性ホルモンの影響による「男性型脱毛症(AGA)」が女性にも起こっていて、「女性型AGA」(FAGA)と呼ばれているのです。

男性ホルモンの代表である「テストステロン」は筋肉や骨を作り、血管を強く保つことにも関与します。このテストステロンはⅡ型5αーリダクターゼという酵素によってジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンに変換され、毛乳頭に存在する男性ホルモン受容体と結合します。そして、DHTと結合した男性ホルモン受容体がもたらす因子によって毛母細胞の増殖が強力に抑えられることで、毛髪の成長期が短かくなってしまいます。こうしてヘアサイクルが乱れて薄毛を引き起こしてしまう、これがAGAです。

女性の体内でも男性ホルモンのテストステロンが作られています。その分泌量は男性の体内におけるテストステロン分泌量の5~ 10%ほどで、男性の10分の1以下です。女性の体内のテストステロンの分泌量は歳とともに緩やかに減っていくのに対して女性ホルモンである「エストロゲン」の分泌量は40代から50代にかけて急激に減ってしまいます。そして、女性ホルモンの急激な減少によって男性ホルモンが優位になって、その影響を受けやすくなり、AGA同様に薄毛が進行してしまうのです。DHTと結合する男性ホルモン受容体がどこに多く存在するかで、症状が現れる場所が異なります。女性のAGAの場合は、男性のように頭頂部や生え際だけが薄くなるのではなく、全体的に薄くなってボリュームがダウンし、頭皮が透けて見えるという特徴があります。

女性型AGAに対しては、毛母細胞の減少を緩やかにすることと新たな毛母細胞を生み出すための対策と併せて、自律神経を整えて女性ホルモンの分泌を活発に保つことが大切です。女性ホルモンのエストロゲン自体が髪や肌にハリや艶を与える働きをするため、エストロゲンの減少は髪質の衰えにも直結します。腸内環境とホルモンは密接に関わっているため、腸内環境の改善はここでも必要不可欠といえます。